マイニングとは?

ビットコインのマイニング(Mining)とは、マイナー(Miner)と呼ばれる人が取引データを承認し、この作業の報酬としてビットコインを手に入れる行為のことです。
マイニング(日本語で採掘)はもともと石油やゴールドなどの鉱物を掘り出すことを指しますが、鉱物の採掘とビットコインのマイニングの仕組みが似ていることから由来しています。
取引データの承認とは?
ビットコインは世界中で取引されており、すべての取引はブロックチェーン(分散型台帳)の上に記録されています。
日常的に私たちが使っている法定通貨(日本円、米ドル、ユーロなど)は、各国の中央銀行により管理されていますが、ビットコインは中央で管理する者が存在しません。
ではどうやってシステムが維持されているのかというと、世界中にいるビットコインのマイナー(Miner)がコンピュータの計算能力を使って取引データをブロックに書き込み、取引を承認することで成り立っています。

マイニングには電力やコンピュータの設備投資などのコストがかかっていますが、マイニングの報酬であるビットコインを手に入れることで利益が出るため、世界中のマイナーがこれを競い合っています。
ビットコインが発行され始めたころは家庭用コンピュータでもマイニングに参加できましたが、今では世界中のマイナーがビットコインのマイニングに参加し、「マイニング工場」と呼ばれる大規模な施設を使う業者も増えてきました。
そのため、マイニングで報酬を得るための難易度が高くなっており、現在は個人でマイニングに参加しても競争に勝つのは非常に難しくなっています。
ビットコインの半減期とは?
半減期とは、前述のマイニングにより手に入る報酬が減額されるタイミングのことを指します。
金や銀の価値が認められているのは、地球上の埋蔵量が有限で希少性があるためです。ビットコインはこの「希少性」の仕組みを取り入れ、価値を安定させるために、過剰なインフレを抑止しています。
無尽蔵にマイニングされてしまうとビットコインの価値が大きく下がり、インフレになってしまうため、2100万枚という発行上限と21万ブロックに一度の半減期の設定が設けられているのです。
半減期のスケジュール

ビットコインの半減期のスケジュールは以下の通りです。
これまでマイニング報酬が50BTCから25BTC、25BTCから12.5BTCへと半減されてきましたが、2020年の5月ごろに予定されている半減期ではブロックごとの報酬が6.25BTCにまで減少することとなります。
2012年の半減期:50BTC→25BTC
2016年の半減期:25BTC→12.5BTC
2020年5月ごろ(予定)の半減期:12.5BTC→6.25BTC
「ビットコインの半減期は4年に一度」と記述されている場合もありますが、正確には「21万ブロックごと」に半減期が設定されています。この21万ブロックがおよそ4年に一度訪れるということです。
半減期のデメリット
マイニング報酬が減ることのデメリットとして、マイナーの報酬が少なくなってしまうことが挙げられます。
コンピュータの設備投資や電力のコストは変わらないまま、受け取るビットコインが大幅に少なくなってしまうので、マイニングを続けられなくなる場合もあります。半減期前と同じ利益を得るためには、単純計算でビットコインが2倍の価値をつける必要があります。
マイニング報酬が減ることでマイナーの数が減ってしまうことになれば、ビットコインのセキュリティリスクも増加します。
半減期の価格への影響
投資家目線では最も重要な価格への影響ですが、一般的に「半減期が訪れるとビットコインの価格が上がる」といわれています。
半減期により発行されるビットコインの枚数が減り、マイナーが手に入れるコインが単純に減少するため、希少性が高まると見込んで購入する人が増えるためです。ただし、現時点で半減期を織り込んだ価格であるという意見もあり、半減期で必ず上昇するとはいえません。

2016年のビットコインの半減期では、半減期の直前まで価格が上昇し、半減期を終えると価格が落ちてしまいましたが、2017年にかけて少しずつ上昇軌道に乗りました。
前回の半減期のころよりも、暗号資産やビットコインへの注目は集まっています。2020年の半減期前後の価格推移がどうなるのか、売買する際はチャートの動きを注視しておきたいところです。